トピックス

URLを peacooha.com に変更いたしました

2020年4月から運用しておりました ぴくはりさーちのURLを、2024年6月20日に新しいURLに変更いたしました。

今後は新しいサイト https://www.peacooha.com でのご利用をお願いいたします。

なお、旧サイト https://www.peacooha.org は、2024年7月31日(水)に閉鎖する予定です。

皆様にはお手数をお掛けいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。

 

2024年6月20日
ぴくはりさーち
代表 保科 修一

 

 

 

 

                              秋の収穫祭 小布施六斎市

2024年06月20日

SPUS 有用安全工房を設立いたします

 SPUS 有用安全工房が取り組んでいる Useful Safety 有用安全とは、学問としての机上の論理や安全に係る国際規格に留まらず、企画から稼動までの間に得られた教訓や経験を駆使して、安全性と経済性を高いレベルで両立させる実践的な安全技術のことです。対象は、ISO 12100 機械類の安全性が適用される産業用の機械装置です。

 SPUSは Study and Practice of Useful Safety の略称で、Study and Practice は考えて実践すること、いわゆる「知行合一」を表します。リスクアセスメントとリスクリダクションは、過去の経験に基づく「暗黙知」であることが多く、頭で考えるだけでは皆が望む安全性を実現できません。実際の機械を見聞きしたり操作をすることで得られる経験を活かして、肌感の提案や判断を大切にします。

 機械は人が使うものですから、人々が使いやすいと感じられる機械にするためには、使う人の心と体に記憶されている経験や教訓を活かすことが必要です。それを実践しながら安全性と経済性が両立する機械を生み出すとともに、使う人と作る人の双方が安心を享受できる環境を作り上げることは、SPUS 有用安全工房だからこそ成し遂げられると考えます。

 いろいろな事例を通じて多くの教訓と経験を蓄積しつつ、それらを機械安全に携わっている方々に向けて発信していきます。そして、皆が安心できる社会づくりに微力ながら貢献できれば幸いです。

 

  SPUS 有用安全工房 : https://spus.peacooha.com 【愛称:エスパス】

 

2024年6月1日
ぴくはりさーち
代表 保科修一

 

 

 

 

 

 


                     curious cafe ランチプレート(自家製竹墨パン)

2024年06月01日

商品名 'ON-SAFE STyLE'® を商標登録いたしました

 ぴくはりさーちの機械安全コンサルティングの商品名 'ON-SAFE STyLE'®(呼称 オンセーフスタイル)を、商標登録いたしました。

    商標番号 : 第6698674号 登録日 : 2023年5月17日 指定商品 : 機械装置の企画・設計・開発に関するコンサルティング

 機械安全は、厚生労働省から2021年に発令された「機械の包括的な安全基準に関する指針」に基づく労働安全衛生の制度の一つとして、位置付けられてきました。しかし、初版の発令から22年、第2版の改正発令から16年がすでに経過し、多くの機械装置メーカーでは機械安全が通常業務として定着し、また、機械装置の設計製造を内製化している大企業でも、機械安全を労働安全活動から日常業務へ移行しています。当初は、安全性を確保するための評価方法や対応方策が焦点でした。しかし、現在はそれらを効率良く安価に実現することが求められており、安全確保の課題から品質・コストの課題に移行した経営環境で、機械安全が運用されてきているということです。

 そこで、従来からの労働安全から安全品質としての取り組みに変化している状況を踏まえ、機械装置を内製化し機械安全の運用が進んでいる大企業や、機械安全を運用していない機械装置の製造販売を生業とする中小企業向けに、機械安全技術を基にする 'ON-SAFE STyLE'® を提供してまいります。

 安全品質はまた、経営戦略やリスクマネジメント・事業継続に直結した課題であるため、機械装置の設計開発を担当する部門のみならず、機械装置の安全性に責任を負わなければならない、設計開発部門のCTO(最高技術責任者)の意志決定や業務統括に対しても、機械コンサルティングを基にする 'ON-SAFE STyLE'® / オンセーフスタイルを提供してまいります。

 日常業務の執行や経営戦略の策定などにおいて、困りごとや心配ごとがありましたら、ぴくはりさーちへお気軽にご相談ください。

 

2023年05月20日

ぴくはりさーち

代表/セーフティビルダー

保科 修一

 


                               商標番号 第6698674号

2023年05月20日

【機械包括安全指針】機械の製造等を行う者の実施事項について

2007年7月31日に厚生労働省より改正発令された【機械の包括的な安全基準に関する指針 (基発第0731001号)】は、2006年に改正された労働安全衛生法の第3条2項「機械その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者は、機械が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めなければならない」にしたがい、リスクアセスメント(危険性および有害性等の調査)をコアツールとして、機械の製造者および労働者に機械を使用させる事業者それぞれに、機械類の安全化を努力義務として要求している指針です。

 

【機械の包括的な安全基準に関する指針】のベースである国際規格が、「ISO 12100 機械類の安全性-設計原則-リスクアセスメント及びリスク低減」ですが、国際規格は機械の製造者に対してのみに要求していることから、機械安全は指針の第二だけが対象となります。そこに記述されている要求が設計者として取り組むべき事項であり、その内容を理解して実践することが、機械メーカーとして果たすべき社会的責任であることは言うまでもありません。

 

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機械の包括的な安全基準に関する指針(基発第0731001号)2007年7月31日

 

第2 機械の製造等を行う者の実施事項 [機械安全/労働安全衛生法第3条2項]

 

1. 製造等を行う機械の調査等の実施

機械の製造等を行う者は、製造等を行う機械に係る危険性又は有害性等の調査(以下単に「調査」)及びその結果に基づく措置として、
次に掲げる事項を実施するものとする。

(1) 機械の制限(使用上、空間上及び時間上の限度・範囲をいう。)に関する仕様の指定
(2) 機械に労働者が関わる作業等における危険性又は有害性の同定(機械による危険性又は有害性として例示されている事項の中から
  同じものを見い出して定めることをいう。)
(3) (2)により同定された危険性又は有害性ごとのリスクの見積り及び適切なリスクの低減が達成されているかどうかの検討
(4) 保護方策の検討及び実施によるリスクの低減

(1)から(4)までの実施に当たっては、同定されたすべての危険性又は有害性に対して、別図に示すように反復的に実施するものとする。

 

2. 実施時期

機械の製造等を行う者は、次の時期に調査等を行うものとする。

 ア. 機械の設計、製造、改造等を行うとき
 イ. 機械を輸入し譲渡又は貸与を行うとき
 ウ. 製造等を行った機械による労働災害が発生したとき
 エ. 新たな安全衛生に係る知見の集積等があったとき

 

3. 機械の制限に関する仕様の指定

機械の製造等を行う者は、次に掲げる機械の制限に関する仕様の指定を行うものとする。

 ア. 機械の意図する使用、合理的に予見可能な誤使用、労働者の経験、能力等の使用上の制限
 イ. 機械の動作、設置、保守点検等に必要とする範囲等の空間上の制限
 ウ. 機械、その構成品及び部品の寿命等の時間上の制限

 

4. 危険性又は有害性の同定

機械の製造等を行う者は、次に掲げる機械に労働者が関わる作業等における危険性又は有害性を、別表第1に例示されている事項を
参照する等して同定するものとする。

 ア. 機械の製造の作業(機械の輸入を行う場合を除く。)
 イ. 機械の意図する使用が行われる作業
 ウ. 運搬、設置、試運転等の機械の使用の開始に関する作業
 エ. 解体、廃棄等の機械の使用の停止に関する作業
 オ. 機械に故障、異常等が発生している状況における作業
 カ. 機械の合理的に予見可能な誤使用が行われる作業
 キ. 機械を使用する労働者以外の者(合理的に予見可能な者に限る。)が機械の危険性又は有害性に接近すること

 

5. リスクの見積り等

(1) 機械の製造等を行う者は、4で同定されたそれぞれの危険性又は有害性ごとに、発生するおそれのある負傷又は疾病の重篤度及び
  それらの発生の可能性の度合いをそれぞれ考慮して、リスクを見積もり、適切なリスクの低減が達成されているかどうか検討する
  ものとする。
(2) リスクの見積りに当たっては、それぞれの危険性又は有害性により最も発生するおそれのある負傷又は疾病の重篤度によって
  リスクを見積もるものとするが、発生の可能性が低くても予見される最も重篤な負傷又は疾病も配慮するよう留意すること。

 

6. 保護方策の検討及び実施

(1) 機械の製造等を行う者は、3から5までの結果に基づき、法令に定められた事項がある場合はそれを必ず実施するとともに、
  適切なリスクの低減が達成されていないと判断した危険性又は有害性について、次に掲げる優先順位により、機械に係る保護方策を
  検討し実施するものとする。

 ア. 別表第2に定める方法その他適切な方法により本質的安全設計方策を行うこと。
 イ. 別表第3に定める方法その他適切な方法による安全防護及び別表第4に定める方法その他適切な方法による付加保護方策を行うこと。
 ウ. 別表第5に定める方法その他適切な方法により、機械を譲渡又は貸与される者に対し、使用上の情報を提供すること

(2) (1)の検討に当たっては、本質的安全設計方策、安全防護又は付加保護方策を適切に適用すべきところを使用上の情報で
  代替してはならないものとする。
  また、保護方策を行うときは、新たな危険性又は有害性の発生及びリスクの増加が生じないよう留意し、保護方策を行った結果
  これらが生じたときは、当該リスクの低減を行うものとする。

 

7. 記録

機械の製造等を行う者は、実施した機械に係る調査等の結果について次の事項を記録し、保管するものとする。
仕様や構成品の変更等によって実際の機械の条件又は状況と記録の内容との間に相異が生じた場合は、速やかに記録を更新すること。

 ア. 同定した危険性又は有害性
 イ. 見積もったリスク
 ウ. 実施した保護方策及び残留リスク

 

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指針の要求は簡潔で、設計者がやるべきことは明確といえます。しかしながら、機械安全マネジメントを確立するため情報としては、必要な記述は少なく不十分といえます。誰が、何時、何処で、何を、どの様に行えば良いのか、はっきりとしたことがわかりません。組織体制、運用手順、判定基準、責任権限、管理文書など、日常業務として標準化することは容易ではありません。

 

その一番の理由は、機械を製造する企業はいろいろな客先、仕入先、協力企業との取り引きがあり、機械の製造者の定義が画一的ではないからでしょう。自社で設計する企業、外部から購入する企業、一部を外部から購入して自社で構成する企業など、いろいろな設計開発の形態が存在しており、それぞれの企業の特徴に合わせて、機械安全マネジメントを構成することが必要になります。そして、機械安全マネジメントを適切に運用すれば、人命に関わるマネジメントが正当で有効であるとステークホルダーから認識され、はじめて社会的責任を果たしたということになるのです。

 

ぴくはりさーちは、構成すべき機械安全マネジメントを、
それぞれの企業の希望や実情に合わせて提案しています。

 

2023年02月02日

ぴくはりさーち

代表 保科修一

 

 

 


                               小布施町営 テニスコート

2023年02月02日

統合生産システムの安全性のためには

統合生産システム(Integrated Manufacturing System)の安全性

統合生産システムでは複数台の機械があり、機械と機械の間で行う作業が対象です。複数台の機械を工程内に設置するだけでは問題は生じませんが、機械と機械の接続により、機械と機械の間に危険源が生じます。そのため、機械と機械の間で人が行う作業を洗い出し、それらの作業を行う際の安全性を確保することが、統合生産システムでは重要です。

統合生産システムの安全性を解説した資料が、いくつかの団体から公開されていますが、一般的に統合生産システムには複雑な制御システムが必要になるということで、制御安全や機能安全に焦点を当てて、高度な制御装置を利用した統合生産システムの事例を扱っています。しかし、そのような資料は電気制御系の設計者や技術者が執筆したものが多く、機械と機械の間に存在する危険源は、ロボットやコンベアなど搬送機械によるものに留まっており、ガード、特に人から危険源を隔離するための距離ガードに特化した事例になっています。

現実の工程では、危険性・有害性のある材料や副資材、あるいは、熱や光などの放射をともなうものが機械と機械の間を移動しているため、距離ガードだけでは適切なリスクアセスメントとリスク低減を行うことができません。これは、設計者・技術者の都合に合わせたIMS(Identified Material-handling System 特定のマテハンシステム)ともいえ、現実の統合生産システムを考えるためのヒントには繋がりません。単体機械の場合には取り扱う材料や副資材に起因する危険源を考慮して、リスクアセスメントとリスク低減を図りますが、統合生産システムが対象の場合も全く同じということになります。

単体の機械では人と一つの機械の関係だけで良かったですが、統合生産システムでは人と複数台の機械の関係が必要です。人の領域と機械の領域で定まる危険領域を定義つけることが、統合生産システムの安全性を考慮するための第一歩です。もちろん、機械の台数分だけ定義することが必要です。ゆえに、統合生産システムでは単体の機械の場合以上に、意図する使用を明確に定めなければなりません。

次に、人の作業と個々の機械の動作の場所的・時間的な関係をみて、どのような場所でどのような時間において危険状態になるのか確認しながら、人の領域と機械の領域が交わる危険領域として存在しないものを選択し、リスクアセスメントの対象から棄却します。

統合生産システムを稼動させるために必要な運転状態を、運転モードとして割り付けるとともに、統合生産システムに存在する場所的・時間的な危険状態に対し、その運転状態で必要なリスク低減のための安全機能を、安全モードとして定義していきます。単体の機械であれば、運転モードごとにリスク低減のための安全機能を設けても良いですが、統合生産システムでは機械の構成が複雑であることから、運転モードと安全モードを明確に分けなければなりません。全ての運転モードと安全モードが出揃った段階で、運転モードと安全モードのマトリックスを作成し、安全モードによるリスク低減のための安全機能の介入が、全ての運転モードに対し、過不足なく、かつ、効率的に割り付けらているかどうかを確認します。

全ての安全モードを優先性や共通性の観点で層別し、できるだけ系統的になるよう安全モードを構成します。安全モードを系統的に設定することができれば、安全モードはオンセーフスタイルとなり、オンセーフスタイルで機械を制御することが実現できます。オンセーフスタイルで構成される安全回路では、セーフティリレーユニットなどの安全コンポーネントを、系統的な位置関係で接続しなければなりません。

統合生産システムの実現は、システムインテグレータの役割です。
オンセーフスタイルの考え方を身につけておくことが大切です。

2022年06月25日
ぴくはりさーち
代表 保科修一

 

 

 


                             松川渓谷 雷滝(裏見の滝)

2022年06月25日

設計者・技術者はどのような姿勢で安全に臨むべきか?

設計者・技術者の姿勢

 

安全を実現するためには、自ら実践するしかない。

機械を使う人を守ることはもちろん、自分の身を守ることも、

設計者・技術者は自らの行動で示さなければならない。

災害や事故を未然に防止すること、いかに先取りが重要であることかを、

先人たちの反省から学び取らなければならない。

これがデファクトスタンダードの安全である。

以下の行動を以て、世界を席巻する機械安全を実現しよう。

1.自己申告 - 自らの行動で、実績を通知しよう
2.自己評価 - 自らの行動で、成果を判定しよう
3.自己宣言 - 自らの行動で、責任を表明しよう

 

2022年06月09日
ぴくはりさーち
代表 保科修一

 

 

 

 


                               高山村 水中のしだれ桜

2022年06月09日

'ON-SAFE STyLE'® / オンセーフスタイルを広めてまいります

'ON-SAFE STyLE'® / オンセーフスタイルを構成する機械仕掛けと人為仕掛け

ISO 12100 機械類の安全性(Safety of Machinery)では、最初に本質的安全設計方策(Inherently Safe Design Measure)を適用することが重要です。その中でも、'ON-SAFE STyLE'® / オンセーフスタイルに基づく「共奏モードによる機械仕掛け (Mechatrols from Mode Duo)」のしくみを、本質的安全設計方策を採用することは、確定的な安全性を確保するために必要不可欠でです。どのような機械類においても、モード、機能、コンポーネント、回路といった設計要素を、適切に選択し構成しなければなりません。

モードは重要な設計要素で、一般的に運転をつかさどる運転モード(Drive Mode)と、運転モードから独立し、安全をつかさどる最優先の安全モード(Safety Mode)の2つがあります。複数の機械が組み合わされ、一つの機械群として構成されているIMS統合生産システム(Integrated Manufacturing System)のように、大規模になるほどモードの重要性が増していきます。運転モード、安全モードともにいくつかのモードで構成されますが、全てのモードは運転モードと安全モードにごとにまとめられ、「モードデュオ(Mode Duo)」という総称になります。安全モードに属する種々のモードが、階層的に構成され、その形態にしたがって、安全コンポーネントが安全回路において適切に接続されることにより、初めて「共奏モードによる機械仕掛け」の安全機能が有効となり、確定性が実現します。

一方、'ON-SAFE STyLE'® / オンセーフスタイルは、安全な状況を条件にして機械の運転を許可していますが、時間に任せて安全な状況になるのを待っていては、いつまでたっても機械の運転ができないため、積極的に安全な状況を作り出す仕掛けも必要です。それが、「安全な状態へ導く人為仕掛け (Handtrols to Safe State) 」というしくみです。このしくみは、機械を操作するオペレーターの人間工学面と心理学面の特性に合わせたインタフェースを採用することにより、オペレーターが操作することで、オペレーターを無意識のうちに安全な状態に導き、自然な成り行きのまま機械を運転できる安全な状況を作り出していきます。オペレーターはマジックにかかったように、「安全な状態へ導く人為仕掛け」のゴールに向かって行動するということです。

'ON-SAFE STyLE'® / オンセーフスタイルには、機械に作用する「共奏モードによる機械仕掛け」と人間に作用する「安全な状態へ導く人為仕掛け」の2つのしくみがあります。ぴくはりさーちは、'ON-SAFE STyLE'® / オンセーフスタイルに基づいて、安全な機械類の実現に日々チャレンジしている、中小企業や小規模事業者を支援しています。

 

2022年02月01日
ぴくはりさーち
代表 保科 修一

 

 

 

 


                        笹の広場 イタリアンレストラン evolve

2022年02月03日

「気づき」とは英知の架け橋? どういうことか考えます

経験から学び、活かし、伝える

  「学ぶことがたくさんあっても、教えることは少ししかない。
   なぜなら、学びの大半は、経験によるものだから・・・・。」

    自身の経験を活かしていくことはもちろん、その経験を他の人に伝えることは大切である。
    経験を伝えること、それはまさしく「気づき」を与えることである。
    知識を「気づき」として伝える場合も、経験に基づいた知識でなければならない。
    いわゆる「知行合一」でなければ、生きた知識にならないということである。
    「気づき」とは何か、どのようにすれば活性化できるのか、今一度考えてみよう。

 

「気づき」とは

「気づき」とは、想像するために必要な言葉や絵図による「手がかり」のことであり、光や音、匂いや感触など、人間の五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)に働くものも含まれる。いろいろな知識や経験を持っている人が、まだ持っていない人のために、考えや意思を確実に伝えるための有効な方法である。伝えられた人が正しく想像できるためには、その範囲はより広く、より深い方が良い。
しかし、「手がかり」は多すぎてはいけないし、ひとつの方向に偏っていてもいけない。いろいろな「手がかり」がムラなくあること、つまりは、ダイバーシティであることが、「気づき」を正しく伝えるための普遍的で最高の条件なのである。「気づき」とは人間関係そのものであり、過去の経験と未来の創造を繋ぐ英知の架け橋になるものである。

 

「気づき」の活性化

「気づき」を活性化するためには、日頃からの円滑なコミュニケーションによる相互理解が、大前提であることは言うまでもない。コミュニケーションには、連絡、報告、相談の3つの手段があるが、その原則にしたがって、日々活性化することが大切である。しかし、無感情で無機質なコミュニケーションでは、形式知だけのコミュニケーションに留まってしまう。ちょっとした言葉使いや挨拶での態度により、無意識のうちに心の壁を作ってしまい、本当に伝えたいこと、本当に聞きたいことが埋没し、混沌・曖昧・錯誤の状況に陥ってしまう。
円滑なコミュニケーションのためには、相手の立場・思いなどを考え、聞くことを主体に話しかける姿勢が大切である。ダイアログ・アプローチにしたがって意見を交換することにより、お互いの価値観を認め、気持ちに寄り添うことで信頼が醸成する。暗黙知を暗黙知として伝え合える心と技、人と人を繋ぐための「ホスピタリティ」を身につけ、「気づき」の架け橋を築いていこう。

 

コミュニケーション原則(Principle of Communication)

  良好な連絡・報告・相談があれば、混沌・曖昧・錯誤の状況でも「気づき」を表出できる 。

     コミュニケーション原則

       状況や結果などの事実を時宜に連絡しあう
       Inform fact (condition & conclusion) timely

       目的や理由などの真実を正確に報告しあう
       Report true (intention and occasion) exactly

       立場や感情などの現実を素直に相談しあう
       Talk real (situation and impression) frankly

ダイアログ・アプローチ(Dialogue Approach / PDCA)

  お互いの価値観を認め、気持ちに寄り添うことで信頼を醸成し、「気づき」を活性化する。
  たとえ上下関係があっても、対等な立場で話し合う姿勢があれば、伝え合うことはできる。

        示す    →   論じる  →   比べる  →    諾う
        Present      Debate     Compare     Accept
       (相手へ)      (互いに)     (互いに)     (自分が)

 

2022年01月17日
ぴくはりさーち
代表 保科修一

 

 

 

 

 


                              安市 だるまのお焚き上げ

2022年01月17日

あらためて「ISO12100 機械類の安全性」の目的を考えます

「ISO 12100 : 2010 機械類の安全性-設計の一般原則-リスクアセスメントとリスク低減」は、機械安全を行うための基本規格です。

この規格に基づいて設計すれば、機械・装置の安全性を確保することができます。この規格は普遍的ながら定性的な要求であるため、
より具体的で定量的な要求は、この規格の下位に位置する多くのISO・IECの規格に記述されています。ゆえに、設計の場面でこの規格を
用いる場面は少なく、この規格で記述されている機械安全についての考え方や進め方は、必ずしも理解されているとはいえません。
このようなことから、ISO 12100の各項別にそれぞれの目的を考えてみます。安全な機械・装置を設計するという漠然とした状態から、
リスクアセスメントやリスク低減に対する正しい認識により、適切かつ効果的に機械安全を実践できることが期待されます。

 

項 目 目 的
機械類の安全性 機械類の設計において安全性を達成する
方法論 3ステップメソッドに基づき、設計段階で方策を組み込む
リスクアセスメント
  リスクアセスメントの情報
  機械類の制限の決定
  危険源の同定
  リスク見積り
  リスク評価
機械類に存在する危険源から生じるリスクを見積もる
定量・定性に関わらず、関係するあらゆる情報を収集する
機械類の寿命までの全段階を考慮した制限の仕様を決定する
全局面での危険源・危険状態・危険事象を系統的に同定する
状況を勘案し、危害のひどさと発生確率からリスクを見積もる
他事例や見積もったリスクから、保護方策の必要性を判定する
リスク低減
  本質的安全設計方策
  安全防護
  付加保護方策
  使用上の情報
危険源の除去、または、危害のひどさと発生確率を低減する
設計特性の選択により、有効性のある方策でリスクを低減する
本質的安全設計方策後に残った危険源やリスクから人を保護する
意図する使用や合理的に予見可能な誤使用において人が使用する
意図する使用に対する正しい情報を、使用者へ確実に提供する
文書化 提示は不要だが、実施した手順と達成した結果を文書化する

 

JIS B9700:2013 機械類の安全性-設計のための一般原則-リスクアセスメント及びリスク低減は、
ISO 12100:2010を基に技術的内容及び構成を変更することなく作成された日本産業規格です。

2021年07月16日

未然防止をどのように評価するのか?

いろいろなトラブルを回避するための未然防止であるが、正しく評価することは大変難しい。なぜなら、手を打っても打たなくても、何も変わらない場合が多いからである。そのような状況が続けば、そのうちにやめても良いのではないか、と考える人が出てくる。しかし、そのような考えから止めてしまった後に、トラブルが発生してしまうことは多い。
未然防止が成功しているということは、何も起きていない状況そのものである。ならば、成功というのはどういうことなのか、正しく認識することが必要だろう。未然防止を確実に続けていくためには、成功の本質を知らなければならない。

 

成功の本質

失敗で得られる教訓を活かすことにより、失敗しないことはできる。
しかし、成功にはたどり着けない。失敗しないことが成功ではない。
成功とはどのような状況なのだろうか。
やはり、何事も起きていないという状況だろう。

とすれば、何も起きていない状況の中に潜んでいる秘訣を探ることで、
成功の本質が見えるということになる。
秘訣は自然的なものと人為的なものに分けられるが、
分けたからといって成功の本質が見えるわけではない。

それにしても、何も起きていない状況の多くは、普通といえるのではないか。
そうであれば、何も起きていないことが普通なのか成功なのか、
いろいろな事例を見ながら、線引きをしなければならない。
成功の本質を探ることは、失敗の真因を探ることよりも遙かに難しい。

何も起きていない状況を広く深く長く、見たり聞いたり感じたりする。
そのようにして、暗黙知、いわゆる成功の体験として心に留めることが、
成功の本質にたどり着くための唯一無二の方法なのだろう。
書物を読んだだけでは理解できない世界に、成功の本質があることは間違いない。

成功の本質が潜んでいる方角は決まった。
さあ、成功をつかむ旅に出かけようではないか。

 

2021年07月08日
ぴくはりさーち
代表 保科修一

 

 


                                    八重桜と菜の花の饗宴 春の小布施橋

2021年07月08日

2020年12月に開業いたしました

新型コロナウイルス感染症の影響で半年ほど見合わせておりましたが、

12月1日に個人事業者として、ぴくはりさーちを開業いたしました。

今後は事業として、中小企業向けの安全技術の普及・促進を図ります。

 

「ぴくは」は "Peace, Cool, Happy" からなる造語 "PeaCooHa" で、

いわゆる、世界中の人々が願っている "Well-being" を表しています。

ぴくはりさーちは世界中の人々が笑顔でいられることを願っています。


ぴくはりさーち PeaCooHa Research

2020年12月01日